「意識」と「思考」が、体の回復スピードに与える影響とは?
こんにちは、とりうみ整体院の鳥海です。
今日は「人間の健康や回復の速さ」と「意識・思考」の関係について、
スピリチュアルではなく、現在の研究で分かってきていることも交えながらお話ししてみます。
結論から言うと、
- ネガティブなストレスや不安が続くと、免疫の働きや回復スピードは落ちやすい
- 前向きさ・安心感・信頼感は、免疫やホルモンバランスを整え、回復を後押しする
- 「考え方を変えれば何でも治る」という魔法ではないが、「同じ治療でも結果を左右しうる要素」にはなっている
…というのが、現在の研究から見えてきている姿です。
ただし、どんな重い病気でも「意識さえ変えれば治る」という話ではありません。
あくまで「体の治る力」を働きやすくする“土台づくり”として、意識・思考が大きな役割を持っている、と考えてください。
1.心と体をつなぐ「自律神経・ホルモン・免疫」という回路
心と体の関係を研究する分野を「精神神経免疫学(サイコ・ニューロ・イミュノロジー)」と言います。これは、
- 心理状態(不安・怒り・安心感・期待など)
- 神経系(自律神経・脳の働き)
- 免疫系(病気と戦う力・炎症)
が、お互いに影響し合っていることを研究する学問です。
例えば、強いストレスが続くと、
- 交感神経が優位になりっぱなし(「戦うか、逃げるか」のモード)
- ストレスホルモン(コルチゾールなど)が長期間高くなる
- その結果、免疫細胞の働き方やバランスが乱れ、炎症が増えたり、逆に防御力が落ちたりする
と言われています。
短期的なストレスは本来「身を守るための反応」ですが、長期化すると不調の土台になり得る、というイメージです。
自律神経の乱れや自律神経失調症について詳しく知りたい方は、
こちらの自律神経失調症のページもご覧ください。
2.ストレスやネガティブ感情が「回復を遅らせる」具体的な例
◆ 夫婦げんかとキズの治り方
有名な研究で、既婚カップルに腕に小さな水ぶくれ(実験用の傷)を作り、
- 仲の良い雰囲気でサポートし合う会話をしたとき
- 夫婦げんかのような、攻撃的で否定的な会話をしたとき
で、傷が治るスピードを比べたものがあります。
結果は、
- 敵対的・否定的な会話をしたときは、傷の治りが明らかに遅くなった
- 血液検査でも、炎症に関わる物質(サイトカイン)が増え、ストレス反応が強く出ていた
というものでした。
つまり、「どんな会話をするか(=どんな感情状態でいるか)」が、
実際のキズの治り方にまで影響していた、ということです。
◆ 不安やうつ状態と免疫の関係
また、複数の研究をまとめた解析では、
- 不安や抑うつが強い人ほど、免疫のバランスが崩れやすい
- 慢性的な炎症を示すマーカーが高い傾向がある
といった結果も報告されています。
もちろん「落ち込んでいる=必ず病気になる」ではありませんが、
気持ちの状態が、免疫という“体の防御システム”に影響を与えることは、かなりはっきりしてきています。
3.前向きな感情・楽観性は「回復の追い風」になる
一方で、ポジティブな感情や「きっと良くなる」という楽観性が、
健康に良い影響をもたらすというデータも、多く出てきています。
◆ 楽観的な人のほうが、病気になりにくい?
「楽観性(optimism)」と健康の関係を調べた研究では、
- 楽観的な人ほど、心血管疾患や死亡リスクが低い傾向
- 手術や病気からの回復も良好なケースが多い
といった結果が報告されています。
ここで大事なのは、「能天気に現実逃避すること」ではなく、
- 問題は見つめつつも、「自分なりにできることはある」と感じている
- 必要な治療やケアを「どうせ無駄」と諦めずに続けられる
といった「建設的な前向きさ」です。
◆ ポジティブな感情と免疫の関係
ポジティブな感情が多い人は、
- ワクチン接種後の抗体のつき方が良い
- 炎症マーカーが低く、免疫バランスが整っている
といったデータも報告されています。
また、ポジティブ心理学的な取り組み(感謝日記・自分の強みの再確認など)によって、
免疫機能や炎症マーカーが改善する可能性を示す研究も増えてきています。
4.「期待」と「信頼」が痛みや症状に及ぼす影響(プラセボ効果)
もう一つ、意識・思考が分かりやすく現れる例が「プラセボ効果」です。
プラセボというと「ただの気のせい」と思われがちですが、近年の研究では、
- 偽薬(有効成分のない薬)でも、「効くはずだ」という期待があると、
脳内で痛みを和らげる物質(エンドルフィンなど)が分泌される
- 慢性痛・パーキンソン病・うつ・不安・依存症など、多くの症状でプラセボ効果が確認されている
ことが分かっています。
さらに最近では、「これは偽薬ですが、プラセボ効果という現象を使います」と正直に説明して飲んでもらっても、
それなりの症状改善が見られる「オープンラベル・プラセボ」の研究まで出てきています。
つまり、“体が勝手にだまされている”と言うよりも、
- 「良くなるかもしれない」という期待
- 「この治療者を信頼している」という安心感
- 治療を受けているという「意味づけ」
が、脳や神経・ホルモン・免疫の働きに影響し、実際の症状まで変えてしまう、ということです。
5.整体の現場で感じる「意識・思考」と回復スピード
ここからは、私が整体院の現場で感じていることを少しだけ。
あくまで「印象レベル」ではありますが、
- 「どうせ自分はもうボロボロ」「年だから無理」と、体に対して非常に否定的な方
- ネット情報で不安が増幅し、「これは大きな病気かも」と常に最悪を想像している方
は、
- 呼吸が浅く、常に体が緊張モード
- 良くなっているポイントよりも、悪いところに意識が100%向きやすい
- セルフケアを続ける前に「やっぱりダメだ」と諦めてしまいやすい
という傾向が、確かにあります。
逆に、
- 「時間はかかっても、少しずつ良くなる方向に行きたい」
- 「今までの体の使い方を見直すチャンスだと思う」
といった姿勢の方は、
- 呼吸が整いやすく、自律神経も安定しやすい
- 小さな変化(「今日は頭痛の回数が1回減った」など)をちゃんと拾える
- セルフケアや生活習慣の修正を続けやすい
ため、結果として「回復のカーブがなだらかに上向きに続く」ケースが多い印象です。
科学的な研究の流れと、現場の感覚は、おおむね同じ方向を向いていると感じています。
6.「意識・思考」との付き合い方を3つのポイントで整理
(1)ストレスの「量」ではなく「質」に目を向ける
ストレスはゼロにはできませんし、短期的なストレスはむしろ体にとって必要な刺激でもあります。
大事なのは、
- 終わりの見えない不安・怒り・自己否定が続いていないか
- 一人で抱え込んで、「話せる相手」がいない状態になっていないか
といった「質」の部分です。
(2)「自分の体へのイメージ」を少しずつ修正する
例えば、
- ×「私の体はもうボロボロで壊れている」
→ ○「今は負担が重なって悲鳴を上げているけれど、本来の回復力はちゃんと残っている」
- ×「年だから治らない」
→ ○「年齢的に時間はかかるかもしれないが、今からでも変えられる部分はある」
この「言い換え」だけでも、自律神経や呼吸の状態が変わる方は少なくありません。
(3)「0か100」ではなく「1mmの変化」を拾う
慢性症状の回復は、階段ではなく「なだらかな坂道」です。
- 「頭痛薬の回数が週5回から週3回に減った」
- 「寝つくまでの時間が、10分だけ早くなった気がする」
- 「今日はイライラのピークが少し短かった」
こうした「1mmの変化」を一緒に見ていくことで、
脳は「良くなってきている」という情報を受け取り、回復モードに入りやすくなります。
7.今日からできる“意識のセルフケア”の具体例
- 1日3分の深呼吸タイムを作る
・鼻から4秒吸って、6~8秒かけて口からゆっくり吐く
・「吸う」より「長く吐く」ことを意識すると、副交感神経が働きやすくなります。
- 「不調日記」ではなく「回復メモ」をつける
・「今日ツラかったこと」だけでなく、「少しマシだったこと」も1行は書く
・脳に「回復の兆し」の情報も入れてあげるイメージです。
- 信頼できる専門家に“任せる部分”を決める
・すべてを自分でコントロールしようとすると、かえって不安が増えます。
・「体の専門的な部分は任せる」「日々の生活と意識は自分で整える」と役割分担を決めると、心が少し楽になります。
- スマホでの“検索地獄”に期限を決める
・調べる時間を「1日15分まで」と決めるだけでも、不安の悪循環を断ちやすくなります。
8.とりうみ整体院でお手伝いできること
当院では、
- 頭蓋骨調整や内臓調整によって、自律神経と呼吸のバランスを整える
- 体が「リラックスしやすい状態」に入れるよう、全身の緊張をゆるめる
- カウンセリングの中で、「体への捉え方」「意識の向け方」も一緒に整理していく
ことで、皆さま本来の「治る力」が働きやすい土台づくりをお手伝いしています。
もちろん、必要に応じて医療機関での検査や治療を優先すべきケースもあります。
「これは整体でいいのか不安」という場合は、そのご相談からでも大丈夫です。
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9.まとめ 〜 意識を“味方”にして、回復を後押しする
- 意識・思考(感情や期待・信頼感)は、自律神経やホルモン・免疫を通じて、回復スピードに影響する
- 不安・怒り・自己否定が長く続くと、回復のブレーキになりやすい
- 現実を見つつも、「少しずつ良くなる方向」を一緒に見ていくことが、回復の追い風になる
意識を「根性論」でねじ曲げる必要はありません。
ただ、体の状態と同じくらい、「どんな言葉を自分にかけているか」「体をどう捉えているか」にも、
少し目を向けていただけると、回復のカーブは変わってきます。
もし「自分一人では意識や思考の切り替えが難しい」と感じる方は、
整体で体を整えながら、一緒に整えていくという方法もあります。
気になる方は、いつでもご相談ください。
※本記事は、現在の研究知見と整体院の臨床経験をもとにした一般的なお話です。
特定の疾患に対する診断・治療を行うものではありません。
強い痛みやしびれ、急な体調の変化などがある場合は、必ず医療機関を受診してください。